そんな違和感を感じながらもなんだかんだと仲良く過ごして2年ほど経過した日、その出来事は突然起きました。
そしてその瞬間、私たちの関係は一気に“普通じゃない形”に変わっていったのです。
明らかに様子のおかしい彼
いつものように合鍵を使って「ただいまー」と彼の家へ入って行ったある日。
絵に描いたようにうなだれて元気のない彼がソファに座っていました。買ってきたご飯を食べるか聞いても「今日はいらないから大丈夫」と言って一口も食べずぼーっとしています。
おかしいなと思いつつもそっとしておきましたが、夜ベッドに横になっても全く眠らない。
天井を見つめる彼の姿に明らかに異様な雰囲気を感じ、問いただしてみました。
重い口を開いた彼。その内容に私は理解ができませんでした。
「僕、今月の給料から差し押さえされる。毎月800円しか残らない」
何を言っているのか全く理解できず、「え・・・・・・・・??何を言ってるの・・・?」
理解不能な彼の話
彼の話はこうです。
元嫁と子供の親権をめぐって弁護士を挟んで話し合っていた。なかなかスムーズに進まなかったけど弁護士に全て任せていた。今日会社の人事部から呼ばれ、裁判所から給料差押の通達がきたのでしばらく振り込みが¥800くらいになると言われたとのこと。彼曰く、裁判所に出廷命令が出ていたのに弁護士が僕に伝えなかったので期限が来てこのようになったと、弁護士に任せていたのに裏切られたと。
ポロポロ涙を流しながら話していました。ちょっと正直言っている意味がわかりませんでした。
親権をめぐるって、親権を決めてないと離婚は成立しないのでは?裁判所に出廷?なぜこちらがお金を支払う必要があるのか?もしかして嫁が浮気して出て行ったのではなく自分が浮気したことが原因で奥さんは家を出て、慰謝料請求されてるのでは…?
わたしの少ない知識と考えが頭の中でぐるぐる回りました。そのころはchatGPTなどのAIはなかったので調べようがなかったのですよね。
彼はうなだれ、生きる気力を失ったようになりました。
「別れようと思ったりこのまま電車に飛び込んだりとよからぬことを思ったけどどれも行動に移せなかった・・・・・。」と言って泣き続ける彼。
思わず『一緒に住もうか』と口に出ました。このとき私は、“助ける”という選択をすることにしました。
でもそれは同時に、自分の境界線を手放すことでもありました。


コメント